2011-03-04
みなさんこんにちは。
オーボエの小川綾子です。
今回はみなさんに重大なご報告をさせて頂きたいと思います。
私、小川綾子は2月28日をもちまして東京フィルハーモニー交響楽団を退団させて頂くこととなりました。
定年まで残り2年と数カ月を残していたのですが、色々と考えた末に今回それよりも少しはやく退団という結論を出させて頂きました。
理由は幾つかあるのですが、55歳を過ぎてから自分は音楽家として残りの時間をどう過ごしていくか、東京フィルの団員としてどう退いていくか等と考えるようになりました。
やはり演奏上の衰えは怖いほど感じていたのは事実です。
誰もがいずれ経験する悩みで、いつかは自分もとは分かっていました。周りの友人知人たちも私の演奏を褒めて下さるのですが、若い頃のようには思うように指が回らないなどの衰えはひしひしと感じていました。
もちろん年齢を重ねたからこそ出るようになった「音」や「表現力」などは沢山あります。しかし若いころのようなハツラツとした演奏は出来なくなってきてはいました。
定年まで職務を全うするという選択肢も勿論ありますが、自分自身このまま2年以上続けて自分の技術の衰えと共に自分自信を慰めながら演奏していくという選択肢は私にはありませんでした。
もう一つは、オーケストラ生活34年。
もう充分やったかな~という事もあります。
以前も日記に書きましたが、私の先生は元NHK交響楽団のオーボエ奏者でしたが、先生は56歳の誕生日で当時のN響を定年退職されました。
先生はずっと私の目標でもありましたので、その定年退職された先生のお年を1年以上も越した今、私はある種の職業上の達成感みたいな心境になったのも一つです。
もちろん音楽家としての達成感は未だありません。
芸術家は常に向上心を持っていなければなりませんので、私としてもオケは退団しましたが、一オーボエ奏者として、また一音楽家として今後どういう活動をしていくかという事に関しては今模索しているところです。
私にとって東京フィル最後の演奏会が2月26日(土)に行われました。
指揮は当団の指揮者である渡邊一正氏。
曲目はベルリオーズ作曲「ローマの謝肉祭」、ドヴォルザーク作曲「交響曲第9番”新世界から”」でした。
私の人生と共に歩んできたコールアングレ。
そのコールアングレの大きなソロがある「ローマの謝肉祭」と「新世界」で、私のオーケストラ人生に幕を閉じることが出来て私は本当に幸せでしたし、心を込めて演奏し終わった瞬間の喜びと、お客様からの温かい拍手は私の一生の宝物となりましたし、これからの私の音楽人生の糧ともなりました。
これからは今の私にしか出来ない音楽、今の私だから伝えられる音楽を皆さんに聴いて頂けるような活動をしていきたいと考えていますし、後進の指導にも力を入れて行きたいと思います。
オーボエ奏者・小川綾子は今後も頑張っていきますので、その時は皆さんも是非聴きにいらしてくださいね。
オーボエの小川綾子です。
今回はみなさんに重大なご報告をさせて頂きたいと思います。
私、小川綾子は2月28日をもちまして東京フィルハーモニー交響楽団を退団させて頂くこととなりました。
定年まで残り2年と数カ月を残していたのですが、色々と考えた末に今回それよりも少しはやく退団という結論を出させて頂きました。
理由は幾つかあるのですが、55歳を過ぎてから自分は音楽家として残りの時間をどう過ごしていくか、東京フィルの団員としてどう退いていくか等と考えるようになりました。
やはり演奏上の衰えは怖いほど感じていたのは事実です。
誰もがいずれ経験する悩みで、いつかは自分もとは分かっていました。周りの友人知人たちも私の演奏を褒めて下さるのですが、若い頃のようには思うように指が回らないなどの衰えはひしひしと感じていました。
もちろん年齢を重ねたからこそ出るようになった「音」や「表現力」などは沢山あります。しかし若いころのようなハツラツとした演奏は出来なくなってきてはいました。
定年まで職務を全うするという選択肢も勿論ありますが、自分自身このまま2年以上続けて自分の技術の衰えと共に自分自信を慰めながら演奏していくという選択肢は私にはありませんでした。
もう一つは、オーケストラ生活34年。
もう充分やったかな~という事もあります。
以前も日記に書きましたが、私の先生は元NHK交響楽団のオーボエ奏者でしたが、先生は56歳の誕生日で当時のN響を定年退職されました。
先生はずっと私の目標でもありましたので、その定年退職された先生のお年を1年以上も越した今、私はある種の職業上の達成感みたいな心境になったのも一つです。
もちろん音楽家としての達成感は未だありません。
芸術家は常に向上心を持っていなければなりませんので、私としてもオケは退団しましたが、一オーボエ奏者として、また一音楽家として今後どういう活動をしていくかという事に関しては今模索しているところです。
私にとって東京フィル最後の演奏会が2月26日(土)に行われました。
指揮は当団の指揮者である渡邊一正氏。
曲目はベルリオーズ作曲「ローマの謝肉祭」、ドヴォルザーク作曲「交響曲第9番”新世界から”」でした。
私の人生と共に歩んできたコールアングレ。
そのコールアングレの大きなソロがある「ローマの謝肉祭」と「新世界」で、私のオーケストラ人生に幕を閉じることが出来て私は本当に幸せでしたし、心を込めて演奏し終わった瞬間の喜びと、お客様からの温かい拍手は私の一生の宝物となりましたし、これからの私の音楽人生の糧ともなりました。
これからは今の私にしか出来ない音楽、今の私だから伝えられる音楽を皆さんに聴いて頂けるような活動をしていきたいと考えていますし、後進の指導にも力を入れて行きたいと思います。
オーボエ奏者・小川綾子は今後も頑張っていきますので、その時は皆さんも是非聴きにいらしてくださいね。
2011-03-04 23:49
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コメント(13)
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小川様。
東京フィルを退団されたとのこと。長い間ご苦労様でした。
私は、アマチュアオーケストラで、みんなで演奏する事が大好きですが、リードも決まらず練習もできていないと、週1回の合奏練習が冷や汗ものです。
歳とともに楽譜が見づらくなり、レベルはまったく違いますが、私もいつまでオーボエが吹けるんだろう。。。と考えるようになりました。
今後も、また新たな分野で活躍されますように祈念しています。
by hiablm2 (2011-03-06 19:47)
>hiablm2 さま
コメントありがとうございます!
私もオケは大好きです。だって独りで吹いてるより楽しいですよね!
でも仕事となると楽しんでばかりもいられないし・・・ツライところです。
今は気持を入れ替えて、また違った音楽の楽しみを見つけようと思っています。きっと今まで気付かなかったことが沢山あるはずなので。
今後も楽しんでオーボエを吹いていきましょうね!
by Ayako (2011-03-10 01:04)
ごぶさたしております、作曲・編曲家の福嶋です。
時々、ブログを読んでおります。
東京フィル、そして、新星日響では、たくさんの編曲譜を演奏して頂き、ありがとうございました。
そうでしたか、退団されたのですね。
いつも小川さんの人柄そのものの、温かくてそしてどこか芯のある、オーボエやコールアングレを楽しみに聴いていたので、残念です。
でも、きっとまたどこかの現場とか会場で、お会いできそうな気もしております・・・・オーケストラワークとは違う形かもしれませんが、これからもぜひとも、よろしくお願いいたします!!
by ふくしま@作曲&編曲 (2011-04-01 10:07)
ふくしまさま
コメントありがとうございました!
2月いっぱいで早期退職しました。ふくしまさんには色々とわがままを言わせていただきましたが、イヤな顔もせずたくさんの曲をかいていただき感謝しています。
3月もオケには出させてもらうことになっていましたが、過日の震災後ほとんどの演奏会がキャンセルになりました。被災された方々は本当にお気の毒ですね!
先日東京フィルの仲間と浅草でチャリティコンサートをしましたが多くのお客様が来て下さいました。その時に集まれる仲間で・・となると困るのが楽譜です。でも今私たちが出来ることってこれかな?とも思います。もしまたこのようなコンサートをすることになったらふくしまさんにもお力を拝借できないでしょうか?図々しいお願いですが協力していただけましたら幸いです。
いずれにしましても今後も音楽は続けていきたいと思っていますので、こちらこそよろしくお願いいたします!
by Ayako (2011-04-06 00:00)
困ったときはぜひぜひ、お声を掛けてください!!!
なんてったって小川さんは「ふくしま編曲の木管書法の師匠」ですから
・・・・小川さんのアドバイスのお陰で、他のオケのオーボエ奏者から、あまり文句を言われずに吹いてもらえる(笑)・・・・
ということで、師匠のお役に立てるなら、無理難題も喜んで!
ちなみに私は、仙台フィルともたくさん仕事をしているので、今は小編成向けの編曲譜を用意したりもしているんですよ。
by ふくしま@作曲&編曲 (2011-04-06 09:49)
小川先生こんにちわ。
京都の尾上です。
退団されたの知りませんでした。
これからも小川先生のオーボエを聴くことができることを楽しみにしています!
by NarumiOgami (2011-05-13 13:30)
愛美ちゃん、コメントありがとう!
オケは辞めましたがオーボエを辞めたわけではありませんので、これからも同じオーボエ仲間としてよろしくね!
たまにどうしてるか連絡してくださいね。元気で頑張りましょうね!
by Ayako (2011-05-25 22:58)
はじめまして。
私は市民楽団でオーボエを吹いています。
「若いころのハツラツとした演奏が・・・」
心にしみました。
どう退いていくか・・・
私のはたかが趣味なんですが、同じ事をずっと考えていました。
いつか吹けなくなるときが来る。
今は後進の育成に全力を注ぎます。
同じ女性として、先生の音色は大好きです。
これからも応援しています。
by TOM (2011-06-16 09:32)
TOMさん
コメントありがとうございます!
退職以来ブログの更新もしていませんのに、コメントいただき恐縮しています。
オケは辞めてしまいましたが、最近は自分にとってオーボエという存在が大切なんだということに改めて気付いたような気がしています。自分でやる気にならないと楽器ケースを開けなくても済んでしまうということに少し怖さも感じています。
これからは本当の意味で音楽を楽しみたいと思っています。TOMさんも自分でラインを引いてしまわず、せっかくオーボエという素敵な楽器に巡り合えたのですから、ずっと吹いて楽しんでいきましょう!
コメントいただいて嬉しかったです!
by Ayako (2011-06-17 10:08)
突然コメントしてしまってすみません。
大学オケでオーボエを吹いている者です。
小川さんにお聞きしたいことがあって書き込みました。
私はオーボエのプロになりたいと考えています。
今プロになるにはどのような方法があるのか調べているのですが、なかなか方法が見えてきません。
もしよろしければ、小川さんにアドバイスをいただきたいです。
私は今音大ではない大学の3年生です。
そこからプロを目指すには、卒業後に音大に入ったほうがいいのか、また他に選択肢があるのかなど教えていただせると嬉しいです。
よろしくお願いします。
by 岩瀬 (2011-08-06 09:27)
岩瀬さま、コメントありがとうございます!
ご相談の件、プロになりたいということですが、オーボエでどのような仕事をしたいのでしょうか?
正直、演奏家としてやっていくのはかなり難しいと言わざるを得ません。毎年若くて優秀な人材が出てきますが、オーケストラ等に空きは無く、演奏家として生活していける人は何百人に一人程度です。
コンクール等で賞を取れば音大を出ていなくても存在をアピールできますが、コンクールのレベルは高く、なかなか入賞するのも大変です。
また、指導者として仕事をするには音楽大学を出ていないと厳しいと思います。教職を取って音楽の先生を目指すのも一つの道かと思います。
今年は秋に日本管打楽器コンクールのオーボエ部門があります。岩瀬さんがどこにお住まいか分かりませんが、その予選から聴きに行くことをお勧めします。
現在の日本の若手オーボエ吹きのレベルを知って、よく考えてみてはいかがでしょうか?
またいつでもご相談くださいね!
by Ayako (2011-08-09 23:15)
始めまして
2011-01-13 23:34
新国立劇場「トリスタンとイゾルデ」
のブログの方に、私も鑑賞させていただき、
第三幕の名ソロに感激いたしご挨拶させて
いただいた者です。
念のため、2011-08-09 最新の更新を
されていた本ページにも、その旨を
書かせていただきました。
某掲示板(ワーグナー寄り)への拙文投稿です。
http://109.teacup.com/su27f14/bbs/252
http://109.teacup.com/su27f14/bbs/251
http://109.teacup.com/su27f14/bbs
10年来の当掲示板も閑古鳥が鳴き、墓守り人を
自称していますが、ペースダウンです。
by 中Chan (2011-09-04 19:13)
中Chanさん、コメントありがとうございます!
そして、な、なんと、私のコールアングレを褒めてくださっていたなんて・・・本当にうれしいです。
オケを退団して早7カ月になろうとしています。その間、震災があったり、父が亡くなったりと、あっという間に過ぎてしまいました~オケを辞めるにあたっては色々と考えましたが、『トリスタンとイゾルデ』を吹くチャンスをいただけただけで、これ以上欲張ってはいけないような気になってしまったんだと思います。でも緊張の連続が今となっては懐かしい気もします。
オケは辞めましたが、何だかんだと楽しくオーボエを吹いています。
本当にうれしいコメント、ありがとうございました。
by Ayako (2011-09-14 23:19)